Privilege
Privilegeとは何か?
日本語訳では、Privilege=特権・特典という風に訳されていると思います。
しかし、ダイバーシティ研修や人種問題を語る場では、「自ら得る努力をしなくとも、社会的に優遇されてきた(恩恵を与えられてきた)多数派=権力を持っている人」という風に定義しています。White Privilegeという言い方をされることが多く、白人が持つ特権という意味合いを含んでいます。しかし、なかなかその意味を実感することは難しく、頭でわかっていても感情として受け入れがたいと感じている人も少なくありません。
上記で紹介したビデオは、身をもってPrivilegeが何か体験できるものだと思います。
以下日本語訳です:
並んで!これから競争してもらうんで、一列に並んで!
これから、この100ドル札をかけて、みんなで競争してもらいます。勝った人は、この100ドル札がもらえます。
これから僕がいくつかの文章を読み上げます。
もし、その文章が自分があてはまると思ったら、2歩前に進んでください。
もし、あてはまらないと思ったら、その場に残ってください。
もし、まだ、両親が結婚しているなら、2歩進んでください。
もし、父親(役)がいる家庭で育ったなら、2歩進んでください。
もし、私立の学校で教育をうけたなら、2歩進んでください。
*(私立の学校の方が公立よりも良い教育を提供しているという仮定のもと)
もし、無料の家庭教師をつけてもらえたなら、2歩進んでください。
*(良い学校であれば、充実したサポートがあるという仮定のもと)
もし、携帯電話のサービスを止められてしまう心配をしたことがなければ、2歩進んでください。
もし、家族の生活費をまかなうために、親のサポートをしたことがなければ、2歩進んでください。
もし、スポーツのスカラーシップ以外で、自分で大学費用を工面する必要がなかったなら、2歩進んでください。
*(多くの黒人学生が、運動神経のよさからスポーツ関連のスカラーシップを取っているが、親が大学費用を全て出してくれる家庭は少ないことを仮定している)
もし、次の食事にありつけるかどうか心配したことがなかったら、2歩進んでください。
前にいる人たちは、後ろを振り返って見てほしい。
僕が今述べた全ての事は、君たちが今までしてきたこととは全く無関係だ。君たちが決めてきた事とも無関係だ。
僕が今述べた全ての事は、君たちの実績とは、全く関係がないことだ。
だけど、この100ドル札をかけた競争において、前方にいる人たちが有利だということは、明らかな暗黙の了解といえるだろう。
じゃあ、後ろにいる人たちは競争する権利がないのか?いや、違う。
自分がどれだけの機会や選択肢を与えられてきたか、それに気づかないのは馬鹿げている。
自分がどれだけ、スタートラインに立つための有利なハンデ(Head Start)をもらえてきたか、認めたくないだけだ。
でも、現実はもらってきていたんだ。
だから、言い訳は通用しない。後列にいる彼らは彼らのレースを走らなければならないし、前列にいる君は君のレースを走らなければならない。
だけど、誰がこの100ドル札を勝ち取ったとしても、それを、意味ある形で使わないのは馬鹿げていると僕は思う。そして、他の人のことを知ろうと思わないのも、馬鹿げていると思う。
現実を考えると、今やったこの競争はフェアなものだ。
後ろのスタートラインの所にいる皆、そのうちの黒人の子たちの何人かは、前列にいる君たちをすっ飛ばしてぬかしていくことを、僕は保障する。
そして、前の方にいる君たちはこの有利のハンデを持ってスタートラインに立っているからこそ、この競争に勝てるかもしれない。
これが「現実」だ。
みんな、これが『人生』の縮図なんだよ。
君がしてきたことが、君を今いる有利な立場に立たせたわけではない。
構えて!よーい、ドン!
もし、これから君が何も学ばなかったら、君はバカだよ。